5−2.めっき方法



設計された製品形状によりめっきの方法はいくつかのなかから選択することになります。電気めっき・化学めっきの違いは基本的に同様で給電装置の有無による違いとなります。

(1)ラック法
引っ掛け法、静止法とも呼ばれます。
めっきするための治具(ラック)に部品を引っ掛けこの治具に通電しめっきをする方法です。対象部品は、
・重なりやすいもの
・変形しやすいもの
・外観の傷を嫌うもの
・バレルより生産性が高い場合
・マスキングが必要な場合
人の手により部品を配置する必要があります。

(2)バレル法
塩化ビニル製やPP製の細かい穴の開いた六角形や円形の樽状容器(バレルと呼ばれる)の中に銅線を入れ給電する。
この中に被めっき部品を入れ回転もしくは揺動させながらめっきをする方法です。
容器の中に部品を投入、めっき処理後排出するだけなので人手がかかりません。
対象品はラック法とは逆で、
・重い物
・変形しにくいもの
・傷のつきにくいもの(ついても問題ないもの)
・引っ掛けが困難なのも
などです。

(3)網付け法
細かなで小さい部品に対するめっき方法です。
細かいメッシュの網の上にめっきする品物を乗せ(上)下に極板を置いてめっきをします。
主にクロムめっきで用いられます。



(4)フープめっき
リールに巻きつけた帯状の板や線をもう一方のリールに巻き取りながらめっきをする方法です。
コイル状の被めっき物をそのままめっきしますので生産性が高く、電気・電子部品に使うことが多くあります。
製鉄メーカーの電気めっき鋼板はフープめっきの大規模なもので処理されてます。
めっき後に機械加工されますので加工後の切断面はめっき処理されていないこととなります。

(5)その他
特殊なめっき法として、
・噴射めっき(ノズルからめっき液を噴射しながらめっき)
・筆めっき(筆にめっき液を染み込ませ処理する。現場での補修用途)

5−1.めっき素材
5−2.めっき方法
(1)ラック法
(2)バレル法
(3)網付け法
(4)フープめっき
(5)その他
5−3.めっきの設計時留意点
5−4.環境問題とこれからのめっき






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